余市リトリートコテージ

北海道余市にて建築施工を行いました。
設計者の陣内さんの考え方に共感し、行ったものです。一般建築とはちがう素材・建築方法についてご本人の言葉をご紹介いたします。
なんで自然素材なのか?
理由は5つ。
1.動物が巣をつくる材料=すごく気持ちいい。
2.田舎なら、すぐ近くの野山から材料をとってこれる。
3.お金がほとんど地元に還元される。
4.建築ゴミがすべて土に還る。
5.製造時のCO2排出が少ない。
一般の建材にはすごく違和感がある。
建築基準法では、20年前から24時間換気というのが義務づけになってます。なんで?
住宅の気密性能があがって、合板や接着剤からたくさんの化学物質が出ていて、シックハウス症候群になる人が出てきた。それで、家の空気を24時間入れ替える機械をつける法律ができた。いやいや!化学物質をやめればいいしょ!絶対おかしい。
確かに合板も接着剤も便利。現場は早くて楽。あとあとクレームも来ない。
でもね、人の健康より建材が優先っておかしい。
そんなわけで、自然素材にこだわっています。

ところで、
ヨーロッパには、ワラや木の断熱ボード、土の壁ボード、ムクの木だけの積層構造材パネルなんかもあって、ちゃんと工業製品として流通しているみたい。だから安い。
日本にはそういう商品がほとんどないから、電話一本で配達とかはしてくれない。自分で置き場も作んなきゃならない。加工とか、乾燥時間もかかる。現場のカンも必要。
でもさ、地元の素材でできるものをわざわざヨーロッパから輸入するってどうなの?ほんとは国産でつくりたいよね。自然素材は高い?
確かに自然素材だけで作ろうとすると高い。
でも、100年で考えたらすごく割安なんじゃないか?
住む人の健康も考えたらプライスレスじゃないか?
建築現場から出るごみも、ムクの木以外、ほとんどない。材料の木はすべて、仲間の木こりたちと大事に伐って製材した木だけ。乾燥も、丸太を水につけて乾燥させたから、灯油の乾燥釜を使わない。

“CORONTE”は、これまで持続可能な林業、丸太の水中乾燥、製材、自然建築をやりながら考えてきたことを、つめこんだ作品です。コテージの横の森の中も少しずつ整えています。森を再生しながら、森を楽しめる場をつくる。